にっぽん丸 スターライトクルーズ(1日目)

前々から行きたいと思っていた船旅。いろいろ眺めていたら、あの青ヶ島を巡る2泊3日のクルーズが目に飛び込んできました。
青ヶ島そのものには上陸しないのですが、周辺の海域で星も見るようだし、星好き船好きが行く口実としては良さそう。

船は美食で知られるクルーズ船「にっぽん丸」です。帆船の「日本丸」ではありませんのでお間違えなく。かつて日食で2回乗った「ふじ丸」の姉妹船。デッキプランなどはかなり違いますが、大きさは同じくらい。古い船ですが数年前にリニューアルしているとのこと。

にっぽん丸

平日ではあるのですが、「平日休めないのか」という妻の希望を満たすため、思い切って休みを取ることに。

三連休の翌日から3日間。その三連休の最終日に横浜で前泊、余裕をもって横浜港大さん橋の国際旅客ターミナルへ乗り込みました。
この旅、出だしから微妙に波乱含みで。まず横浜へ移動する日の朝、いきなり新幹線が運転取りやめ…
午前のうちに運転再開し、自分たちが乗るころには平常運転。
出港の朝、ホテルを立つ準備をしていると、いきなり伊豆諸島中心に津波注意報、おいおい…
さいわいこちらも大したことなく。でもなんか先行き不安です。

国際旅客ターミナル

国際旅客ターミナルには、「セレブリティ・ミレニアム」も停泊していました。

90,940総トン、乗客定員2158人。反対側に停泊する「にっぽん丸」(10,770総トン)が実にちっちゃく見えます。

私たちがターミナルに到着すると、この「セレブリティ・ミレニアム」に乗船する客たちでごった返していました。ほどんとが外国人でした。
2000人からの乗客だと、乗船もずいぶん大変なようで、ずいぶん長い時間がかかっていました。

そうこうするうちに「にっぽん丸」の乗船口付近にもぱらぱらと人が。こちらはほぼ全員日本人。ごった返す感じもなく和やか。

乗船、そして出港

乗船。部屋はスーペリアツイン。ビジネスホテルの部屋ぐらいの広さ。最近はやりのバルコニーはありません(本船ではもう少し上のグレードの客室についています)。
かつて乗った「ふじ丸」の船室よりも洗練された感じです。

乗船して最初のイベントは避難訓練。放送に従って、デッキのあらかじめ決められた場所に向かいます。私たちの船室から集合場所はすぐそこ。そのまま出港セレモニーへ。舷側を船首から船尾まで貫くプロムナードデッキではシャンパンがふるまわれ、岸壁ではバンドによる演奏があり、大勢の見物人に見送られながら岸を離れました。デッキで銅鑼を鳴らすのが恒例らしいのですが私たちは聞くことはなく。というのも、私たちはシャンパンをもらった後、ブリッジのすぐ上のデッキまで上がり、出港作業を見ていたのです。そのまま、ベイブリッジをくぐって港外に出るまでそこであたりを眺めていました。

橋はくぐるもんだっ!

本クルーズでのメインのイベントは、2晩にわたって開かれる天体観望会と、2日目日中のプラネ上映です。その時間の予約にツアーデスクに向かうと長蛇の列。まああぶれることはないはずですが、列に並んで予約。私たちは、自力で見られるといえば見られるので、天体観望会は2晩目だけを予約。プラネも一回分予約しました。

第二海堡

首都防衛を目的として、明治中期から大正時代にかけて東京湾の入り口に作られた海上要塞。千葉の富津岬から近い順に第一から第三まで作られました。
すべて埋め立て地で、このうち第二海堡は灯台が立ち消防訓練の施設が置かれ、護岸工事も進むなど比較的整備されており、現在は観光ツアーも開催されています。
第一海堡もまだ陸地が残っていますが立ち入り禁止、第三海堡は崩壊が進み、海難事故の原因となっていたため、撤去されています。

海の上からでないとなかなか間近で見ることはできない施設です。いいものを見た。

期待の夕食

さて夕食です。2回にわかれ、私たちは17時30分からの1回目。一日目は和食でした。
食レポ上手じゃないんで写真だけで失礼。特に二枚目の写真の鰻が絶品で。それなりにお高い鰻も食べたことはあるのですが、これが最高でした。一切れと言わずもっと欲しい。

最後は、飲み物として妻が注文したジンジャーエールの瓶ですが、これも本当においしい。ラベルを確認し、帰宅後、ネットで探して注文しました。

雲行きが怪しく…

船の位置は、客室内のテレビや、船内からアクセス可能なWEBサイトなどで確認できます。

「あれ?」と思った人鋭い。
船長から放送があり、青ヶ島付近は荒天のようです。それで船は進路を変更して駿河湾に向かっているとのこと。
そういえば前日に伊豆諸島クルーズに向かった「飛鳥Ⅱ」も、直接は伊豆諸島に向かえずにいったん駿河湾に退避し、クルーズの終わりにさっと伊豆諸島を回って帰ってきたとか。
天気には勝てません。安全第一です。でも明日は向かえるのか、ちょっと心配。

船内での支払い

基本的には旅行代金にすべての食費などが含まれる「オールインクルーシブ」ですが、ショップでの買い物や食事の時に追加注文する飲み物(だいたいアルコール)は別料金です。といってもいちいちその場で支払うわけでなく、後払いとなります。下船時に請求されるのですが、乗船証にクレジットカードを紐づけておけばすべてクレジット払いになるので、船内で現金を持ち歩く必要がありません。

これが乗船証。黒塗りだらけですが💦
客室の鍵兼身分証兼お財布代わりなので、「にっぽん丸」のネックストラップを買って常に身に着けていました。

ドレスコード

クルーズ船というとみんなが気にするのはドレスコードでしょう。基本的に夕方の時間から、レストランやホール、バーなど公共のスペースに出入りするときだけに適用されます(一部終日という場所もあります)。それ以外の時間・場所では何着てても自由です(何も着てなくても自由かは知りません)。また強制ではありません。だからと言って「フォーマル」が指定されているときにTシャツ短パンだと浮いてしまうのは確かですが。
本クルーズのドレスコードは「カジュアル」でした。「カジュアル」意外と難しい。「フォーマル」だと男性はタキシード一択だから逆に悩むことはありません。タキシードの調達と、なんか着るの恥ずかしいよねという庶民感覚を別にすれば。結局二人とも普段通勤に着ているような服(ちなみに仕事ではスーツは着ていません。いわゆる「ビジネスカジュアル」)に落ち着きました。男性は上着推奨ですが、なんとなくいい感じのサッカージャケットを手に入れたのでそれで。

カクテルパーティとマジックショー

クルーズ船では毎日忙しいくらいにイベントが開催されるものです。その代表はホールで開催されるショーです。一日目の夜はマジックショー、その前にカクテルパーティが開かれました。

ちょうどその時間、妻は予約していたエステに行っており、一人でジャケットを着てカクテルパーティに参加しました。カクテルは3種類あり、席に着くとグラスを載せたお盆を持ってきて勧められ、一杯いただき…

短い時間に3種類全部いただいてしまい💦、いや一つはノンアルなんですが…ちょっとやばい感じがしたので、マジックショーが始まる前に退席してしまいました。

そのあとは7階のプールサイド(プールもクルーズ船のお決まりの施設ですね)にあるリドテラスへ。ちいさいホットドッグでビールを飲み(カクテルで酔っ払ったんじゃなかったのかって?このビールはチェイサーです)。妻がエステを終わるまでのんびり待っていました。

駿河湾の星空

観望会は2日目を予約しましたが、自分達でも双眼鏡を持ってきていたので、夜遅く、デッキに出てみました。

なんとまあ、晴れ間が見えています。天の川もかすかにわかります。やっぱり洋上は暗いです。ただ風が強い。揺れるので望遠鏡は無理ですし、撮影も難しそうですが、自分の眼と、せいぜい双眼鏡で楽しむならいいものです。

青ヶ島近海ならどんなだったか、かつて「ふじ丸」で太平洋上で見た空くらいになるのかなと思いました。