Atlante Farnese(ファルネーゼのアトラス)

「天空のアトラス イタリア館の至宝展」

2025年関西万博、イタリア館の目玉展示であった「ファルネーゼのアトラス」他を展示する、大阪市立美術館の特別展です。
※この特別展は、フラッシュ・および三脚一脚自撮り棒などを使用せず静止画のみであれば撮影可でした。

展示されたのは「ファルネーゼのアトラス」、ピエトロ・ヴァンヌッチの「正義の旗」、伊藤マンショの再現衣装、レオナルドダヴィンチの「アトランティコ手稿」です。

ファルネーゼのアトラス(特に天球儀)

滞在した時間の大部分を、「ファルネーゼのアトラス」の天球儀に費やしてしまいました。これマジで時間溶けます。
解説(大阪市立科学館の嘉数さん)によれば、『アルマゲスト』の48星座のうち42個が確認できるとのこと。

まず夏の大三角から「ペガスス座」のあたり。「いるか座」が妙にリアルで目立っています。

その反対側に、「おひつじ座」「おうし座」「オリオン座」。「おひつじ座」も毛のもこもこが細かく描写されています。黄道もしっかりと描かれています。

天球儀は、地球が球の中心にあり、天を”外”から見たイメージ。なので星座はみんな後ろ向き。なので、おっさんの尻とかを見せつけられるわけですね(もっとも、前を向いていたらいたで…以下自粛)。

「アルゴ座」は、一般に船の半分が描写されているのですが、この「アルゴ座」、残り半分との境目の描き方が…そこで船体が割れたみたいで、まるで難破船?

わかりにくいところで、春から夏にかけての星座で、半人半馬の姿がありますが、「いて座」ではなく「ケンタウルス座」。「いて座」は少し前の写真に写っています。弓を持っているかいないかで判断が付きます。

ちょうど手のところに半分隠れている「さそり座」は、いてとケンタウルスに挟み撃ちされているわけですね。

「ケンタウルス座」と「さそり座」の間で、なにか棒につるされているように見えているのは「おおかみ座」。棒に見えるのは赤経線です。その下は「さいだん座」。南天の星座ですが、『アルマゲスト』には描かれていたんですね。

「ファルネーゼのアトラス」についてはいろんなところで散々紹介されているので詳しくは書きませんが、ローマ時代のもので、ヘレニズム時代の彫刻を模刻したものと考えられています。現存する最古の天球儀とされ、またプラネファンには、プラネタリウムの原点の一つとして人気があります。まさか万博で日本に来るとは思いませんでしたし、とはいえイタリア館にはとても入場できませんでしたが、こうやって眼にすることができるとは思いませんでした。