この初夏は、ネオワイズ彗星の話題でもちきりだったと思います。当初は7月中旬以降に3等程度という予想でしたが、実際には7月上旬には1等ほどと明るくなり、連日、見事な尾をなびかせた彗星の写真がSNSなどをにぎわせました。
この明るさなら、夜明け前、自宅の窓から見えるはず。
ところが、梅雨時でほとんど晴れる日がなく。しかも今年の梅雨は長引いて。そんなわけで、自宅の窓からの観察はついにかなわず。
夕方の空に回ってからは、連日、近くの西が開けた場所へ車を走らせましたが、やはり雲に阻まれ。
いい加減あきらめ気味になった、梅雨明け直前の7月29日、ようやく雲が切れ、3等ぐらいまで暗くなった彗星を、双眼鏡で見つけることができました。
ところで、ひとしきり盛り上がったところで、やはりというか、そんな大彗星じゃないという声もちらほら聞こえてきました。まとめると「熟練者が撮った写真で大彗星に見えているだけで、百武、ヘール・ボップと比べたら全然」みたいな。「みんな百武、ヘール・ボップを見たことがないからこんなので喜んでいる」とか。やはりというか…
なにが「やはり」なのかというと、彼らが大彗星の基準にしている百武彗星について、当時「ベネットに比べたら大したことないのに、なんでこんなもので喜んでいるのか」というNIFTYへの投稿が記憶に残っているのです。それで、きっとこの彗星でもそんな人が現れるだろうな、と、予想していたのです。歴史は繰り返したわけです。
実際のところは、Twitterを検索してみても、みんな「見えた」「見えない」で楽しそうで。がっかりしている人は皆無でした(引っかかってこなかっただけかもしれませんが)。
どうも、昔の「大彗星」と比べてあーだこーだ言っているのって、ちょっと天文やっている、でも彗星を熱心に追いかけているわけではない人たちだけのような気がします。
私自身は、いわゆる彗星屋ではなく、彗星屋さんの周りをうろうろしていた門前の小僧にすぎませんが、ハレー、百武、ヘール・ボップ、他、1990年代にぼんぼん現れた彗星をそれなりに眺めてきました。10等より明るければ大彗星で、記憶に残る彗星で最も暗いものは9等です。名前は忘れたのでその程度ですが、よく印象に残っています。