琵琶湖汽船「雪見船クルーズ」

長浜からの帰路。前述のように、大津まで琵琶湖を船でゆきます。

琵琶湖汽船「びわ湖縦走雪見船クルーズ」。

「雪見」とあるように冬季のみ運航・往復コースと片道コースがあり、私たちは長浜港→大津港の片道クルーズです。往復コースではオプションでお弁当もあります。片道約2時間20分というそれなりに長い乗船時間ですが、観光ガイドが乗船していて見どころを案内してくれるとのことで、飽きることはなさそうです。

使用する船は「megumi」。トリマラン(三胴)だったのですね。シップ・オブ・ザ・イヤー2008受賞。

遊覧船「megumi」

全長35.9m、122.0総トン。旅客定員200名ってそんなに乗れるのか?
湖水を行く船らしく乾舷が低く、水面が近いです。

この時期なので寒そうで、オープンデッキに出るのは勇気がいりそうですが、船内は窓も大きく、籠っていても十分景色を楽しめそうです。

出港するといきなり揺れました。この日は強風で、白波が立っています。船は予定のコースよりもずっと西を通ることにしたとのことで、まず西へぐんぐんと向かいます。

何度か外へ出てみましたが、揺れるので何かにつかまらないと頼りないうえ、風が強すぎて2階デッキに上がるのはあきらめました。もっとも、強風の半分は船が飛ばしているからではあったのですが。

船室はゆったりとして暖かく、外を見ると相当に横ゆれしているのですが、あまり揺れは感じません。

やがて右舷船首方向に竹生島が見えてきます。接近すると島の上の神社と寺の建物が重なるようによく見え。写真はタイミングがずれてしまった。

さらに西へ進み、海津大崎の沖で南へ進路を変えます。西岸は湖岸と山の間が狭く、てっぺんに雪を抱いた比良山地が壁のように迫っています。湖西線の電車が走っているのも見えます。

本来だと沖の白石に接近するようですが、遠く遠方に眺めるだけとなりました。

このころには風も波もおさまり、外に出ても大丈夫な感じ。季節的に寒いので長くはいられませんが。

白髭神社の大鳥居前を通過。船は速度を落とし、湖中の大鳥居と国道側の鳥居が一直線に並ぶタイミングを計ります。このタイミングでお願いごとをするとかなうとか。
御祭神は猿田彦命。延命長寿白鬚の神として信仰を集めます。
鳥居の陸側を通ったことはありますが、湖上から拝めるのは船に乗っているからこそ。

東方に沖島が見えてきます。近江八幡市に属し、人口約300人。湖の島で有人島は世界的にも珍しいとか。

琵琶湖大橋が見えてきます。その左手に琵琶湖マリオットホテル。緑色のドームはプラネタリウム「デジタルスタードームほたる」

琵琶湖大橋をくぐります。橋はくぐるものです。

びわ湖で唯一の造船所「杢兵衛造船所」で外輪船「ミシガン」がドック入り中。

湖に建てられたお堂が。
満月寺浮御堂。平安時代、天台宗の恵心僧都が湖上安全と衆生済度を祈願して建立。

雄琴に寄港し、坂本城址の沖を通り(なぜか写真が残っていない)、大津港に到着。琵琶湖クルーズの拠点となる港だけあって大きい。

大型客船ビアンカ。全長66.0m、旅客定員458名。ミシガンやmegumiと異なり、イベントなどでのチャーター利用のための船のようです。

学習船「うみのこ」。滋賀県内の小学生は5年生になると「うみのこ」で1泊2日の「1泊2日の航海学習「フローティングスクール」に参加するそうです。この船は2018年6月に就航した2代目。

そんなこんなで、琵琶湖の湖上を船でゆく貴重な体験をすることができました。楽しかった。

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特別展「国友一貫斎-発明とその夢-」

長浜城歴史博物館「国友一貫斎-発明とその夢-」を見学に長浜へ。

なに?友人、帰りに船に乗っている!?
外輪船「ミシガン」などの観光船を運営する琵琶湖汽船の季節限定「びわ湖縦走雪見船クルーズ」です。なにそれ乗りたい!

調べてみると、往復便や往路はすでに満席ですが、長浜から大津への復路はまだ空きがあるとのこと。
それなりのお値段ですが、長浜までの往復に利用するつもりだった、JRの「関西1デイパス」で、片道なら乗船可能。ということで、完全に友人の後追いですが、JRで長浜に向かい、帰路は大津まで船という計画が出来上がりました。

JR在来線で京都より向こうに向かうのは久しぶり。新快速で3時間の長旅ですが、始発駅に近い地の利で、座って乗り換えなしで行けます(のつもりが、米原で切り離される方の車両に乗ってしまったため乗り換えが必要でしたが、まあ微々たること)。

国友一貫斎は私たちの間では江戸時代に反射望遠鏡を作り、それで天体観測をした天文の人のイメージですが、本職は鉄砲鍛冶師です。鉄砲の製法は鉄砲鍛冶仲間の間の秘伝で、口伝で後継者に伝えられていたとか。鉄砲みたいな近代兵器に似つかわしくないイメージですが、現代でいえば軍事機密なわけですね。

とはいえ平和が続いた時代、鉄砲鍛冶も人口が減少し、それに危機感を持った国友一貫斎は製法の明文化を試みたとか。そんなわけで鉄砲の製法に関する文書が多く展示されています。その中にはテレビ番組で取り上げられた「気砲(空気砲)」や飛行機械の図面も。

他にもガラスのカンテラのような灯りの「玉燈」や、反射させた光の中に像が浮かび上がる「神鏡」など、非常に多彩な器具を製作しており、機械製作において非凡な才能の持ち主であったことがうかがえます。

反射望遠鏡は、現存する4台すべてが展示されていました。サイズは、コルキットスピカの反射望遠鏡バージョンが出たらこれくらいのサイズになるかなと思えばわかりやすいでしょうか(わからん、って)。

このうち同館所有の二号機は、国立天文台が調査して、現在の望遠鏡の鏡面精度に劣らないと評価した望遠鏡です。調査結果とともに展示されていました。これで月を見てみたい。導入が大変そうですが。

また、主鏡、主鏡の研磨用の砥石、レンズにや研磨剤に使用したらしい鉱物があったり、望遠鏡制作にあたっての試行錯誤がうかがえました。

そして天体観測の記録。当初は望遠鏡の性能の調査が目的だったとされますが、やがて観測それ自体が目的となったようです。
太陽黒点観測では、黒点の移動の周期に気が付いたりなどは知られています。減光に用いた「ゾンガラス」という色付きガラスも展示されていました。冬至割合しられていた減光方法のようですが、もちろん現代では危険な方法であることが分かっています。当時のゾンガラスも眼へのダメージを軽減する効果はなかったと考えられるとか。相当眼を悪くしたかもしれません。

月面の観測もよく知られていると思います。観測を行いながら望遠鏡の改良を行ったり、また一貫斎自身の観測技術も向上したのか、残されている、月の観測図は、後半になると精密さが格段に向上しています。

図録は当然買います

図録を買って博物館を出ると、昼食に街中へ。黒壁スクエア当たりの観光客でにぎわうあたりを抜けて、少し静かな通りにある「そば八」というお蕎麦屋さんへ。ここで一番人気という「十六文」を注文。出雲の割子そばみたいな、小さい器に小分けにされたそばにつゆをぶっかけて食べます。しっかりとした蕎麦、つゆがおいしい。この頃のお昼の外食はかなり当たりが多いです。

続いて、まるい食パンの「つるやパン」へ。小さいお店。ここでまるい食パンを使ったサンドをいくつか購入し、港へ向かいました。(続く)

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C/2022 E3 ZTF彗星とオリオン大星雲

久しぶりに電視観望していました。
すぐに雲が来てしまいました。
緑が強いのは、SharpCap を無料版のまま使い続けているためでしょう。
ライブスタックをかけるとすぐに緑が強調されてしまいます。

課金すれば済む話ですが、それならASIAIRを買う方がいいのではないかと。
あと、経緯台ですから、ライブスタックを続けるとどんどん視野が回転していきます。

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ぱしふぃっく びいなす

日本のクルーズ客船のうちの1隻、かつて日食クルーズなどでお世話になった人も多くある「ぱしふぃっく びいなす」は、2023年1月4日をもって運航を終了しました。

乗ったことはないのですが(クルーズ船自体、「ふじ丸」に日食で乗ったぐらい、でもいつか乗りたい)、突然の営業終了に驚き残念に思ったものです。

その後、「ぱしふぃっく びいなす」は、相生湾に係留されています。
この先この船がどうなるのか気になります。船齢も相当いっているでしょうか。

ところで、同じく引退した「さんふらわあ あいぼり」も近くにいました。
こちらは新船と入れ替わりの引退です。

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「リュウグウ」サンプルを見てきた

”アクリエひめじ”での「はやぶさ2」帰還カプセル特別展。

無料、申込不要。大きなアクリエひめじのほぼ半分のスペースを占める展示場の全部を使った特別展。入口すぐのスペースでは、大スクリーンで「はやぶさ2」の探査を紹介する動画。これまであまり「はやぶさ2」の探査の概要を知らなかった人も、この映像でおおよそを知ることができます。
その奥の厳重に仕切られた区画で、カプセルやサンプルを展示しています。ここだけは一方通行ですが、整理券もないので何度でも入れます。撮影禁止もここだけ。

それ以外の広いスペースには、ギガスターの「はやぶさ」「はやぶさ2」実物大模型に、ミネルバ、MASCOTなどの実物大模型の展示、「宇宙の店」などの物販やワークショップ、にぎわい広場にはキッチンカーが出てイートインがあって、広い会場を充分に活かした充実した展示となってました。


自分的に今回一番見たかったものは、リュウグウから持ち帰られたサンプル。一番最後、離れたところにぽつんと。小さいのでルーペ越しに。黒い、ほんとに黒い。黒くて模様わからん^^;
私より目がいいヨメは、黒い中に白く光る部分を見つけ、案内の人にあれは何か聞いていました。今後の解析で明らかになっていくだろうとのことで、外の展示パネルの内容から、硫化化合物ではないかと私は思いましたが、今後の研究の進展を楽しみにしましょう。

人は多かったですが、それ以上に会場が広く、ゆったりと見て回ることができました。

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皆既月食+天王星食

1年前の皆既月食は視界が開けているところに出かけましたが、今回は自宅近くで。ヨメは8センチフローライト、私は電視観望システムで。

いつもベビーカーを押して散歩しているママさんが現れて月をスマホで撮ろうとされていたので、ヨメが声をかけて望遠鏡で見ていただいたりなどしました。

ヨメが月と天王星のいい写真を撮っている横で、私もCMOSカメラで撮ってみましたが、皆既になると色が出なくなったり、あまりいい感じにはなりませんでした。8センチで見た月と天王星はなかなかきれいで、やっぱり月は直接眼視の方がいいです。

寒くなってきたので、ヨメの体調も気遣って撤収し、明石市立天文科学館のライブ配信で天王星の潜入と出現をご飯食べながら見てました。

今回は、通りすがりの人の中にも、立ち止まって赤い月を撮っていたり、世の中の関心の高さも感じました。起きることを知っているか知らないかの違いのような気もします。知っていれば関心を持つ人も多いと思うのです。

観測風景。思いっきり道端
どうしてもピントが甘い
皆既中
天王星の潜入直前(明石市立天文科学館の中継より)
天王星の出現(明石市立天文科学館の中継より)
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第74回正倉院展

この頃毎年行っている正倉院展。

目玉の一つは漆背金銀平脱八角鏡。銅鏡の背面に漆を塗り、金銀の薄い板で作った鳥や植物などの模様を配置し、漆で塗り込めた後、模様の部分だけ漆を剥いで仕上げた鏡です。一度盗まれ、その後戻ったものの、盗人は地金を手に入れることが目的だったらしく、破壊された状態でした。明治になり、失われた部分を補作して繋ぎ合わせ、元のすがたに。
見た目には一度バラバラに破壊されたとは思えない姿ですが、目録を見て絶句。鏡の面は、銀のかすがいで繋ぎ合わせた後が痛々しい。

他の宝物も後世に補作されたものが多いことに気がつきました。当時の職人の技術の素晴らしさに驚くと同時に、それと同じレベルで補作してみせる後世の職人・芸術家にも感嘆しました。

鹿さんこんにちは
お昼ご飯。とろろ昆布いり卵かけご飯
奈良のローソン(本物ですもちろん)
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ステファンの五つ子を電視観望

まだドブソニアンでも見たことがない天体です。
自分の電視観望システムではかなり小さいのですが、見てみました。

ステファンの五つ子付近の星図
ステラナビゲータ11で作成

今回はASI Liveを使用。
30秒露出で40フレームをスタック。
なんとなく何かいる感じで見えました。中央付近、周囲の4つの星が作る歪んだ四辺形の真ん中です。

ところで、先日のらせん星雲も網状星雲も三日月星雲も、導入した当初はまだ天体そのものは見えていません。そもそも導入できなければ観望も撮影もできないのですが、自動導入とはいえ、眼視で手動導入していた時の見え方のイメージや、周辺の星の並びの同定とかの経験は結構活きてくるなと思いました。撮影やっている人はどのようにされているのかわからないのですが。

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三日月星雲と海王星と網状星雲を見る

いい空でした。
危なげなくすんなりと2スターアライメント成功。よい空とよい基準星が何より重要なようです。

最初に三日月星雲を。導入した時点ではまったくわかりませんでしたが、星の配置からここと見当をつけ、露出を伸ばしてやるとうっすら出てきました。
ただ、ヒストグラムをいじっていたら色が変に…

三日月星雲(NGC 6888) 背景が緑色に…

昨夜の目標は、皆既月食を念頭に天王星を入れてみることでしたが(望遠鏡の焦点距離が短すぎるので、面には見えないと思いますが)、建物の壁の向こう。
そこで海王星に向けました。焦点距離が短く、ほぼ点像ですが。

海王星。3つ明るい星があるうちの左下の星。

そこからもういくつか見てみたんですが、最後にNGC 6992(網状星雲)を。ドブソニアンでは毎シーズン必ず導入する天体です。
ちょっと星がぼてぼてになってしまいました。

NGC 6992(網状星雲)

写真作品として仕上げるなら、RAWで撮って後から画像処理をがんばるのでしょうが、観望なのでライブでどこまで出せるかが大事なような気がしています。
そろそろSharpCap Proにすべきか(そのまえにASI LIVEを試すべきでした)。

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天文科学館 IN あかし市民広場

岡本晃さんギャラリートーク

天文科学館 IN あかし市民広場。

明石市立天文科学館はプラネ投影機がオーバーホール中。その間、明石駅前のあかし市民広場でシゴセンオーの展示やモバイルプラネなどをやっています。

シゴセンオーの生みの親、岡本晃さんのギャラリートークに行って参りました。

井上館長との対談形式。シゴセンオーの動画作品を一通り観たあと、シゴセンオーの誕生までのいきさつと、メイキングなど。
これまで知られていない内容が盛りだくさん。岡本さん、発想が自由過ぎていいです(笑)
給水塔四天王は見てみたいし、Twitterで流れてきた「淡路島から来ました」的な、かなりあぶない(笑)動画の続きも知りたい。

メイキングでは、シゴセンオーの「あかし時のまち大使」委嘱状手渡しの動画の苦労話、市長の方の映像に天文科学館の時計塔が映り込んでしまい、それを消すのに本当なら一日がかりのところ、アイデアで1時間で消したとか、本当ははじめに館長が「変形承諾書」を決済したり、変形を知らせる館内放送でお客さんが退避するシーンなどがあったけれども尺の都合でカットされたとか。

初めの方、岡本さんのおじいさん(お父さんでしたっけ?)が友の会の会員で、あるテレビドラマのロケが天文科学館であり、友の会の会員がエキストラで、出演した、というエピソードがありました。井上さんもご存じなく、いきなり私に振られたのですが、私も知るはずがなく…^^;
で、その場で調べたところ、松本清張の『Dの複合』が浮かび上がりました。本作品には、天文科学館や人丸花壇が実名で登場します。1993年テレビドラマ化、天文科学館でロケを行ったことを匂わせる検索結果も(ただ、はっきりここでロケしたと明記したものは見つからず)。時期的に該当しそうですが、あとで『明石市立天文科学館の50年』を調べてもロケの記録は記載されていません。
そういうことがあったら、会報に載ってるかもしれませんが、さすがにこの時期はまだ会員ではなく。

さて真相は…

おまけ。ギャラリートークの前に、多数の冥王星を観測…じゃなかった、久しぶりの玉子焼き。

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