地球が丸いことを予期せず自ら確かめた話(ずいぶん昔)

すこしまえですが、Twitterでこのようなやり取りをしました。

こちらはずいぶん前ですが、明石市役所の前の海岸ぞいにある公園で、星を観ようとしていたと思います。
お天気が悪かったのか、大阪湾の向こう、水平線上に見える緑色の光に望遠鏡を向けました。船を見ようとしたのか、明かりの正体を突き止めようとしたのか、もう覚えていないのですが。
見えたのは、下半分が水平線の下に隠れた観覧車でした。

水平線の向こうからやってくる船は、帆柱の先端から徐々に見えてくるという、これと同じようなことを実感した出来事でした。

考えてみればなかなかすごいことで、大気差、蜃気楼や、霞などでわかりにくいことも多いのではないかと思いますが。

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安定しない自動導入

今日も望遠鏡をベランダへ。

セットしてピントを合わせたら部屋の中へ。室内のPCからリモート操作です。

今日は2スターアライメントで、2星ともプレートソルビング成功。星の数が足りないと言われるときはライブスタックするとよいというアドバイスをFBでいただき、やってみたらうまく行きました。

ところが、さっそく目当ての天体に向けてみたら、全然入らない。ベランダを見たところ、まったく明後日の方向を向いています。

リセットしてやり直してみましたが、あんまりうまくない。

結局、アライメント中に偶然入ったM4(と思われる天体)を見て、外に置いたPCの電源が切れたので終了しました。

ベランダに設置した望遠鏡と操作用PC
部屋の中から操作中の図

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プレートソルビングようやく成功

やっとプレートソルビングに成功。でも成功した条件がわからない(^_^;)

成功すると本当に簡単にアライメントが完了します。

で、室内に戻り、別のからChrome リモートデスクトップでSurface Go接続し、M65、M66、M3628に合わせました。

八塔寺で45センチで眼視した並みには見えますね。もうちょっと明るい?画面で見るので見た目のサイズ感はずっと大きいか。

自動導入は電視観望の本質ではないのですが、リモート操作したいのでこれは必須です。

その様子を写真撮ろうかな、と思った途端に、PCがバッテリー切れ。そのあとM104に向ける予定でしたが。

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プレートソルビングをがんばる

自宅のベランダで電視観望のテスト。

AZ-Gtiでの自動導入がなかなかうまくいかなくて悩んでいるのですが、先日の八塔寺では、これまで何だったんだというぐらいスムーズに動いてくれ、改めて自宅で試みました。
電視観望の本質ではない部分ではありますが、これが問題なくできると、自宅で室内からリモート操作も難しくありません。プレートソルビングによるAZ-GTiのアライメントを試みることにしました。

改めて、機材は以下の通り。

鏡筒: SVBONY SV106 60mm
カメラ: ZWO ASI224MC
架台 :AZ-GTi
PC :surface go

PCはカメラと架台の操作に使用します。以前から使っていたYogabookは、この目的には非力と感じていたところに、先日の八塔寺で、なんと起動しなくなってしまいました。sutface goはヨメの持ち物ですが、気前よく貸してくれました。感謝。

surface goには以下をインストールしました。

SharpCap 4.0
SynScan Pro 1.19.15
ASTAP v2022.04.05 + H18
ASCOM Platform v6.2
ASCOM Driver for SynScan App 1.3.0

でさっそく実行。動くのは動いてくれたのですが、プレートソルビングは「星の数が少ない」とのことで失敗。

視野の広さは充分なはずですが、月もあったし、透明度も悪い空でした。プレートソルビングを実行する時は微光星が多数映るように、観望時よりも明るく映るぐらいにゲインと露光時間を調整すると良いようですが、かなりぎりぎりまで出して見たつもりでしたが、まだ星が足りないと言われます。
それから後で気が付いたのですが、SynScanProでアライメントを完了してからSharpCapからプレートソルビングを始めてしまったのですよね。
SynScanProのアライメントの流れは、まず自動で目標天体に向いていき、望遠鏡が停止してから、天体が入っていなければ手動で修正して完了、なのですが、この手動修正をプレートソルビングで行いたいわけです。なのでアライメントを終わらせてしまってはいけないのでした。
もうちょっとがんばってみよう。

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星見

昨夜はいつもの観測場所へ。晴れ予報になりましたが、まだまだ雲が多く、撮影の人たちは苦労していた様子。

私は、手首を痛めたままなので、いつもの45センチを持っていくのはあきらめました。かわりに、電子観望システムと8センチ屈折を持っていきました。

ところが、8センチ屈折は、接眼部をC-8につないだままだったのを忘れ、使えない状態。
電子観望システムは、なんとPCが故障。

ただ、いつもアライメントがうまくいかなくて悩まされるAZ-GTiが、今回はものすごくスムーズにアライメント完了。
2スターアライメントでしたが、どの天体に向けてもほぼ視野中心に確実に導入してくれました(3スターアライメントにしなかったのは単なるアイコンの押し間違いです)。

なので、望遠鏡にはCMOSカメラではなくアイピースを付けて眼視観望。
面白いくらいぽんぽん入るので、楽しい楽しい。

痛めた手首が冷えて痛んできたのもあって、今回も早々に退散しましたが、短い時間にこれくらいは見えました。6センチなので明るい天体のみになってしまいましたが。

  • オリオン大星雲
  • M41
  • M78
  • プレアデス星団
  • プレセペ星団
  • 二重星団
  • M51
  • M81,M82
  • M66 (M65、NGC3628はよくわからない)

M3に向ける途中で架台が動かなくなりました。おそらく電池切れ。

あと、ヨメがスマホで星空撮影に挑戦していて、思いのほかよく撮れていました。
私も真似して撮影。車にスマホを押し付けて手で支えていたので、特に縦にぶれていますが、三脚に載せたらかなりいい感じで撮れそうです。

水面のように見えているのは車の屋根
同じく縦にぶれています。
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星占いの「ふたご座」が、星曼荼羅では「夫婦」になっている件

コロナ禍に入る直前の姫路科学館の特別展「はりまの星・日本の星」で展示されていた星曼荼羅で、黄道十二宮の「ふたご座」が男女になっているのが印象に残って、どこでそうなったのか興味を持っていました。完全に日本もしくは東洋独自のものなら、「そういうもの」で済ませるのですが、基本的な部分は西洋の黄道十二宮と同じです。西洋から日本まで伝わる過程で変化したと考える方が自然です。

周囲に知っている人もなく。で、自分たちで調べてみました。

星曼荼羅は密教系寺院でいまもおこなわれる「星供」の本尊。星曼荼羅自体は日本オリジナルなのですが、そこに描かれる黄道十二宮は『宿曜経』など宿曜道のテキストからきています。調べると、『宿曜経』の段階ですでに男女、それも「夫妻宮」となっています。

『宿曜経』の黄道十二宮と西洋星座との比較
(【参考】有賀匠『星曼荼羅と妙見菩薩の図像学的研究』)

ふたご座に限らず、いて座は「弓」だけになっているし、いろいろな星曼荼羅を見てみると(著作権の関係などもあるので画像の掲載は控えました。検索するといっぱい出てきます)、山羊が忘れられて魚だけになった「やぎ座」とか、なぜか2人になったおとめ座とか、いろいろ変わったところも出てきます。

『天文の世界史』(廣瀬匠、インターナショナル新書)によれば、メソポタミア文明で黄道十二宮の星座の原型が作られ、ギリシャ、そして1~3世紀ごろにインドへと伝わったと考えられるとのことです。ギリシャからインドに伝わる過程でなにかあったようです。

黄道十二宮の伝播( 【参考】廣瀬匠『天文の世界史』 )

さらに同書によれば、 黄道十二宮はインドに伝わる際、元の星座とは切り離して概念だけが伝えられ、どのような姿かは描き手の想像にゆだねられたとのこと。それで伝わる過程でいろいろ変わってしまったのでしょう。

思い切って廣瀬さんに問い合わせたところ、答えていただけました。

廣瀬さんによれば、講堂十二宮がギリシャからインド・アジアへ伝わる過程は伝言ゲームのようで面白いとのこと。そのなかでも「ふたご座」は、サンスクリットに訳す際に「mithuna」という語が選ばれたのが発端とのこと。「 mithuna」は「ふたつ」という意味があるのだけれども、サンスクリットの文献では「夫婦」の意味でつかわれることが一般的だったので「夫婦」のイメージが定着したのだろうと。

また、おとめ座については、インドではまだ一人として描かれていますが、中央アジアで2人として描いている例が出てくるとのこと。

そんなわけで、まる2年間の疑問があっさり解けてしまったわけですが、メソポタミアの黄道星座が、形を変えながらはるばる古代の日本にまで伝わっていたという壮大な歴史に触れられて満足です。

ところで、アイキャッチ画像にいいのがないかなと思って探したら、なんとフリーイラスト・クラシックさんに、女の子と男の子の「ふたご座」がありました。かわいいので使わせていただきました。

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第11回星なかまの集い~天文楽サミット~

毎年1月から3月のころに開催している「星なかまの集い~天文楽サミット~」、コロナ禍がまだ終息の様子を見せない中、密を避けながら、みんなで屋外で星を観ながらの観望交流会という形をとり、2022年3月19日、明石公園の東芝生広場をメイン会場として開催しました。

「星なかまの集い」は、参加者が膝を突き合わせての交流と情報交換が特徴です。節目となる第10回はちょうど新型コロナウイルス感染症の流行が日本でも大きな問題となり始めた時で、開催1ヶ月前に中止を決定しました。イベントの性格上、オンラインでの開催も馴染まず、屋外で短時間での開催ならできるのではないかと考えて観望交流会を企画しました。これも当初は2021年3月に予定していたのですが、さらに1年延期となり、実に2年ぶりにようやく開催にこぎつけました。

事前に望遠鏡の持ち込みを募集したところ、最終的に8名8台が集まりました。その中には、注目の次世代電視観望専用望遠鏡eVscopeがありました。また開催中に東北地方で起きると考えられた小惑星食のデモ観測が行われる予定でした。

前日、兵庫南部は強い雨が降るような状態でしたが、その中で強気の決行案内。まあ望遠鏡囲んで星談義という流れになるかなぁ、ぐらいの心積もりでした。ところが、まあ、お天気は予想より悪い方へ。

望遠鏡持ち込み予定者は8名だったのが4名がキャンセル。持ち込まれた4台も、設営中に雨が降ってきたのでやむなく撤収という流れに。

それでも最終的に三十数名参加されたでしょうか。
大きな木の下で雨宿りしながら実行委員の紹介、望遠鏡の紹介、参加者全員の一言自己紹介と進み、雨を避けて公園内のオープンカフェ「TTT」へ。

そこで自由歓談となり、予定より1時間繰り上げた20時(お店の閉店時間)にお開きとしました。

星を見ることはまったくできませんでしたが、久しぶりにお会いする方、またなんと初参加の方もおられ、交流会としては目的は達成できたのではないでしょうか。
やっぱり対面で会うのはいいですね。

屋外の開催、天候の都合でバタバタと移動、そして感染対策にもまだ気を使わなければならない状況でしたが、会場に忘れ物やゴミもなく、全員マスク着用で、参加者の方々のマナーも協力姿勢も素晴らしいものでした。改めて感謝したいです。

次回はいつものスタイルで開催できることを願っています。

会場の東芝生広場。100人ぐらい集まっても余裕がありそうな広いスペースです。
eVscope。運搬は足元に見えているバッグ一つで。組み立ては三脚立てて望遠鏡を乗せてネジを締めるだけ。初期設定も簡単。
小惑星食観測の準備
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ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展

兵庫県立美術館の「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」へ。

入場前に見どころ解説をやるというので、まずそちらに参加してから入場。

古代エジプトというと、ギザの3大ピラミッドやツタンカーメンや、最後のクレオパトラがよく知られていますが、例えばこの三者の間にそれぞれ千年以上の間があることは案外認識されていないのではないでしょうか。それほど長い長い歴史があるのですから、時代時代により多くのものが変わっていたとしても当然でしょう。ツタンカーメンの時代にはピラミッドは作っておらず、クレオパトラの時代には、青銅製の小さな像を供物として捧げるのが流行したり。

ただ一貫していたのは、ひたすらミイラを作っていたことでしょうか。

展示では、著名な王や、ピラミッドや神殿のような代表的な建造物に関わるものはほとんどありません。財務長官や街の人の供養碑、はては主婦のミイラなど、「誰?その人?」みたいな人々に関わるものが多く展示されていました。

棺も、裕福な人のは豪華ですが、庶民はずっと簡素で。

ただ一貫しているのは、死後はみんなミイラになることで。

さらには、コプト教の関係の展示まで。
コプト教はさすがにミイラにはしなかったと思いますが。

さて、最後にミイラの展示もありましたが、死後数千年経過しているとはいえ、人の死体ですので、苦手な方もおられると思います。

展示されていたのは、包帯を解いてない状態でした。結構丸々としていて、中の人の形はあまりわかりません。包帯は古びて入るけれどもしっかりとしています。
いまは包帯を解かずに中を調べることができます。CTスキャンをかけ、3D解析することで、仮想的に包帯を解き、遺体を解剖できます。
この人はガンを患っていたとか、更年期障害だったとか、当時のパンは砂混じりだったとか、そんなこともわかります。

解析技術の進歩なのですが、これらのミイラを収蔵していたライデン博物館では、将来の技術進歩を見越して、保存していたとか。
先見の明というものですが、ポンペイも多くの区域も同じ理由で発掘せずそのままにしていたり、「はやぶさ」が持ち帰ったサンプルの一部も将来のために保存されたりしています。

ともかく、エジプトといえばピラミッドかミイラな感じですが(この投稿でもミイラミイラ言ってますが)、それだけではない、もっと深いものに触れられた気がします。無名の人々も、王族と同様の信仰、死生観を持ち、同じように死者を弔っていたのですねぇ。

思えばミイラにせよ豪華な棺やお墓にせよ、相当な手間を必要としたはずで、残された人の死者を想う気持ちが伝わってくる気がしました(単にそれが当たり前でなんとも思われてなかったりもありそうですが)。

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日本で流布している「古代インドの宇宙観」は怪しい

1か月前の話ですが、普段、いいねもリツイートもほとんどないTwitter個人アカウントが、突如RTと「いいね」が延びまして。

何の気もなくツイートしたので、特にどこの何ということを書いていなかったのですが、明石市立天文科学館の天文史の展示の一部です。

実はこれら、過去にTwitterで話題になったものでした。

これらの話題、および天文科学館の展示の参考文献の「天文の世界史」(廣瀬匠、著、インターナル書房)によると、インドの宇宙観は地域・時代・宗教によってあまりに多様で、それらがごちゃ混ぜになったのだろう、ということです。

日本に例えれば(ここは私の勝手な解釈ですが)、天の川のほとりでウサギを助けた浦島太郎がお礼に月につれて行ってもらってかぐや姫と結婚し、自分たちの住むところを作るために月から天の逆鉾で海をかき回した、みたいなものでしょうか。

この話、根底には、植民地主義、帝国主義時代の欧米の、アジアに対する偏見があるので、あんまり軽く見られないですね。

ただこれも、「星座の起源はカルデア人の羊飼い」説と同様、日本だけで広まってるみたいです。

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東寺に星曼荼羅を見に行く

今日の目的地は東寺でした。

特別公開
「東寺の星マンダラ-除災招福の祈り-」

真言宗などに伝わる星曼荼羅には黄道十二宮も描かれています。
中国や日本などの星座は西洋星座とは根本的に異なるものですが、星曼荼羅の十二宮は現代の星占いの星座と基本的には同じです。

ところが、「ふたご座」はなぜか男女になり、「夫婦宮」と。「おとめ座」は一人のはずが二人に。
なぜそうなったのか、姫路科学館で見てからの謎でした。以来、夫婦揃って星曼荼羅に関心を持っています。

そのうち、東寺の北斗曼荼羅が公開されるというので、これは見に行かねば。

北斗曼荼羅も一つではなく複数のものがあります。絵像の代わりに梵字一文字で仏を表す種子曼荼羅も。絵像でも個々の仏が区別つかないのに梵字だとなおさらと思ったら、脇に名が書かれていまして、かえってわかりやすい。

曼荼羅だけでなく、星を祭る修法の式次第を記述した書物などもあり(読めませんが)、また曼荼羅も江戸時代ぐらいと新しいものもあり、現代まで、星を祭ることが行われていることがわかります。

曼荼羅見たあとは五重塔、金堂、講堂を拝観して、結局、東寺だけで終了。日帰りだと現界があります。

さて、肝心の黄道十二宮ですが、後日ある人に思い切って尋ねてみたところ、あっさり解決しました。

誰か研究してすでに明らかになっているようなことだろうし、詳しい方に尋ねればすぐに解決しそうなもので、実際、あっさり解決したのですが、詳しい方にたどり着くのが大変だったという。

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